莫大な投資と膨大な維持費をつぎ込むほど、リニア計画には必要性が存在しない!
平成30年8月26(日)
「リニア建設工事の公害に苦しむ沿線住民」
「リニア事業計画に対する沿線住民の緊急要望及び質問書」
8月12日に安倍総理がツィッターで提示された日本の『観光事業』という内容に対し、「リニア沿線住民からの質問書」として、8月19日付でツィッターでの質問書を提示しましたが、全く回答はありませんので、本日はその続編です。ついでに当沿線住民の活動の経緯を項目だけ列記します。
――沿線住民として、多くの問題を共有する筈の長野県牧野光郎飯田市長宛に、3年前、意見書兼要望書を提出。しかし市長は勿論、役付きの職員は誰も応対されず、文書だけ預かっていただきました。
次は長野県阿部守一知事宛にも直接訪問し、リニア工事計画の実態の確認及び質問書を二度提出ましたが、全く無回答です。
次に首相官邸に、安倍総理宛の質問書を昨年二回提出しましたが、二回とも全く回答がありませんでしたね?
次に同じリニア問題を抱える1都6県の知事宛にも、リニア事業計画に対する実態の確認書・及び意見書を参考までに提出しましたが、一切どこからも応答はありません。
当村住民はその間、平成27年10月~30年3月まで名古屋地裁・名古屋高裁において法廷闘争を続けてきたのですが、この件については問題が複雑で長くなりますので、ここでは割愛させていただきます。即ち住民の出来ることは精一杯努力してきたわけですが、残念ながら誠意ある回答も計画変更も一切ありません。
「安倍総理、これが現在の日本の政府と行政の不誠意極まりない住民無視の対応ということなのですか?」
以前、「個人的な交渉ではどうにもならない!」「団体として結束しないと駄目!」とある古参の弁護士に言われましたが、数の纏まった団体交渉なら誠意ある回答を頂けるのでしょうか?然し、このリニアに関しては私たち以外に団体交渉も、訴訟団も存在しますが、全く何も変わっていません!変わったのは予定通り計画が進んでいる実態だけです!ということは数の問題でもなく、リニアに関しては一切応対しないということですか?
結局、「安倍総理と昵懇の間柄である元JR東海会長 葛西俊之氏による以前からの固い約束だから、どうやっても変わらない」と言われる方々も複数存在します。それではリニアとは一体誰のために走るのか?国民のためではなく、昵懇の元葛西会長との約束を実行するために計画を強行するのですか?
しかし、どう言われようとも沿線住民にとっては、「諦める」という選択技は無いのです!破壊されるのは私たちの生活地であり、本当の地獄を見るのはこれからなのですから…。
ただ、一つ言える事は色々と交渉を重ねてきた分だけ、当地においては企業側も可能な範囲で努力していることは間違いありません。それは確認しています。
では、「どの自治体でどこをどれだけ影響を軽減できるのか?」という、徹底した工事計画の見直し・再検証も可能な筈です。その結果、大規模な土砂崩落・悲惨な人身事故・或いは住民側の自殺等、大事件が多発しないように施工者側が十分留意することが絶対必要です!そこで以下に言明いたします!
「安倍総理、どうしてもリニア建設工事を進めるのであれば、まずは各沿線でどれだけ深刻な問題を抱えているのか、遅ればせながら国会で「リニア事業計画の是非をめぐる検証委員会」を実施し、「リニア建設工事の実態の調査」へと移行し、徹底した議論を通じて、住民に有無を言わせない強引な工事進行を見直していただきたい!
これから本格的な工事が始まれば、どこで何が起こるかわかりません。当地では土砂崩落が既に3回発生し、一回目の崩落では通行中の乗用車が半分土砂に埋まったと聞いております。命が助かったから間もなく工事を続行したのであって、仮にこの車に3~4人乗っていて、運悪く全員死亡となった場合は現在どうなっていたのか?
沿線住民の生活地を丸抱えで大工事を実行する場合は、生活者に対する十分な配慮と厳戒態勢を敷いていただきたい!現状では超秘密主義による杜撰な取り組みとしか言いようがない!安倍総理、何度でも申し上げます。仮に大怪我や死亡者が続出した場合は、総理、あなたの責任です!
――次に、超電導リニアの事業計画に対する重大かつ、不透明な部分について、取合えず10項目の質問書を提示致します(項目1については再掲)。
平成30年8月26日
「超電導磁気浮上式リニア事業計画に対する沿線住民の質問書」
(1) リニアはまだ正式に認可されていない!
(2) 超電導リニアは全然速くない!
(3) リニアはどこまでいっても採算が合わない!
(4) 最大の欠陥、「クエンチ」はどこまでいってもゼロにはできない!
(5) 火災現場では消火活動ができない!
(6) リニアは電磁波の塊!
(7) 地震学者の嘆き!
(8) 地質学者の嘆き!
(9) 沿線自治体の住民に対する生活環境破壊・自然環境破壊!
(10)浜岡原発・柏崎刈羽原発の再稼働はどこまでいっても国民の承諾は得られない!
他にも多数ございますが、当面、上記10項目の重大な問題について質問させていただきます。
(1の項目につきましては8月19日に提示済みですが、初めて視る方が多いと思われるので再掲致します)
(1)リニアはまだ正式に認可されていない!
「安倍総理、リニアはまだ正式に認可されていません!なぜなら、超電導リニアを認可する法律は日本国に存在しないからです。」ドイツは「リニア特別法」を制定してから審議に入ったということですが、日本では平成26年10月17日、前太田国交大臣が、【全国新幹線鉄道整備法】によって、超電導磁気浮上式リニアを認可したのは、行政法上の違法行為であり、この認可は無効であります。よってこのリニア工事計画は即刻中止されなければなりません。
[その理由]
1.鉄道とは、鋼鉄のレールと鉄車輪の組み合わせで走行する粘着式鉄道のことをいう(粘着式鉄道:英adhesion railway は、駆動力が車輪にかかって車輪とレールの間の静摩擦に頼って走行する鉄道を指す言葉です)。
2.【全国新幹線鉄道整備法】(全幹法 昭和45年5月18日法律第71号は、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図ることを目的とした日本の法律であり、全国主要中核都市の「連結」、「相互乗り入れ」が最重要であります。
3.超電導磁気浮上方式リニアとは、強烈な磁気反発力によって10cm浮上し、トンネル内の空間を飛ぶという、日本の交通史上初めての乗物であり、その特殊性ゆえに全ての鉄道新幹線との「連結」、「相互乗り入れ」が不可能です!従って、全国の鉄道新幹線のネットワーク性を重要視した【全幹法】でリニアを認可したのは行政法上の違法行為であり、この認可は無効です。よって、このリニア計画は即刻中止されなければなりません。
- (超電導リニアは全然速くない!
「安倍総理、上述した通り、超電導リニアとは国内初の特殊な乗り物です。」前太田国交大臣は「東京から大阪までリニアで結ぶ」という、敢えて誤解を招く曖昧な説明をされたため、多くの国民は「東京駅~大阪駅までリニアが通る」と勘違いされている方が多いと思われます。
然し、(1)で特筆しましたように、超電導磁気浮上式という特殊な乗物は、東京駅にも大阪駅にも乗り入れできません!さらに、
リニアの第一期事業計画では、10年間、品川駅~名古屋までしか通らない!
第二期計画で品川駅~奈良駅がやっと開通しても、国内最大の本数が集結する東京駅にも大阪駅に入れないという事は、その分乗客が、地上駅と大深度地下駅とを上昇・下降して乗り換えるという手間と時間が掛かり、疲れる乗物なのです。その「乗り換えに掛る時間」をプラスすれば、トータルでリニアは特別速くはない!
「超電導リニア」と既存の「東海道新幹線」と、どっちがどれだけ速いのか?
- あくまで移動に掛る時間、即ち乗り換え時間がどれだけ掛るかは個人差がある!
- 乗り換えには運不運もある。東京駅から品川行きの電車に乗り換えようとしたら、ホームについた途端、電車が出てしまった!
- 品川駅に到着し、大深度地下駅へのエレベーターまで移動し、乗ろうと思った途端エレベーターが降りてしまった。こういう不運というのは続く場合もあり、「どうして今日はついてないんだ!」と苛立つことになる!苛立ちが疲れを倍増する事になる。
- 然し、東京駅から東海道新幹線に乗る場合は、乗りたい時間で切符を買うのでそういう苛立ちは関係ない。東京駅から大阪駅まで直行なので、ウロウロと広い構内を歩き回る必要もない。
「安倍総理、今後、益々高齢化が進む中、結果的に乗客は僅かな時間差なら一直線で東京駅~大阪駅を往復する既存の新幹線を利用する事は必至と思われる。平均して15~20分程度の差があるとしても、中高年者はその分早く家を出る。若年世代が減少を続け、最も人口の多い50歳~80歳代の中高年者の利用を獲得できなければ、早晩リニアは継続が困難になるのではないのか?
安倍総理も20年後は相当なお年ですよね?ここは現実を直視すべきです!莫大な投資と膨大な維持費をつぎ込んで断行するほど、リニア計画には必要性が存在しません!